パクチーよりも刺激的で、ココナッツミルクよりも甘く。
こんにちわ。
今日はサークルの先輩と梅田のビアホイというベトナム料理屋さんへ行ってきました。うまうま。チェーというデザートもチャイも最高に美味しかった。
そんなベトナム料理屋さんで聞いたお話は、ベトナム料理のパクチーよりも痺れる辛いお話でした。
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すでに働いてるサークルの先輩は5年間付き合った彼がいたのだが、とつぜん連絡が取れなくなった。何度もLINEし、電話し、メールしたが繋がらない。忙しいのかな、体調悪いのかな、と思っていたら、なんとサークルのOB戦に参加していることが判明。…なら連絡よこせ…!!ここでブチ切れた先輩は別れようとLINEしたが、結局向こうから連絡はなかったのだった。連絡を待ち続けて半年、こうして5年間の恋愛は終わりを告げたのだった。
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え?こんな話あんの?あまりの話に絶句して激辛麺でむせるむせる。マンゴージュースで流し込みながら先輩の彼氏を思い出し、そんな人だったか?と首をかしげた。そしてゲスな考えが頭をよぎった。
先輩は「もう吹っ切れた!」とベトナム炒飯をかきこんでいた。
優しくて姉御肌なかっこいい巨乳な先輩と、賢くてスポーツの出来るおっとりした先輩のカップルは、私たち後輩からしたら素敵なカップルでしかなかった。でもそれは先輩たちがそう見せていただけなのかもしれない。本当はどうだったのか、それは私たち後輩があけてはならないパンドラの匣なのだ。
頭をよぎったゲスな考え。私の持っている情報を整理すると、そうなのではないかと思い始めてきた。
連絡がつかなくなった日と、サークルの新年会。新年会のメンバー。OB戦への参加とマネージャー参加者。そして「今の2回生のマネージャーの先輩、彼氏と分かれてサークルの前のキャプテンと付き合ったらしいんですよ」という後輩からの情報。
先輩の彼氏だった人は、サークルのキャプテンだった。
もちろん、「前の」の「前」がいつのかは知らないし、事実である確証はない。それでも、もしもそうであったら、なんともやるせない。
さよならぐらい、ごめんねぐらい、なぜ言わなかったのだろう。
泣いて、喚いて、迷惑かけて、なぜ固執しなかったのだろう。
見栄も意地も全部、全部ひっくるめて、2人は甘えていたのかもしれない。それぞれお互いがより傷つかないように、真実を言うことも、真実を知ることも避け、相手と自分に甘えた結果が、2人のこの結末なのだろう。
そう思ったら、ココナッツミルクの甘ったるさがあまりにも不自然で重たく感じた。